病院に着くと、車から降りた途端、走りだした。


美香子さんからの連絡だった。


ひーの手術が、ついさっき終了したとのこと。


だけど……



“ひーが目を覚まさないの”




「ひー!!」


病室に入ると同時に名前を呼ぶ。


美香子さんに、ずっと昔に会ったっきりのひーのお父さんがいた。


「あのっ……ひーは……」


息切れ切れで、必死に言葉を繋ぐ。


ひーのご両親は、つらそうに顔を歪めた。


慌ててベッド脇に駆け寄ると、酸素マスクに、よくわかんないチューブみたいなものが全身に繋がれたひーが眠っていた。


「ひー、ひー目を開けて!」


何度呼び掛けても、ひーはぴくりともしない。


手術は成功したのに……何で?


「このまま起きなかったら……」


嫌な予感がついて出てしまった。


あたしの言葉に、美香子さんがワッと泣き出す。


「そうだな……。このまま目覚めなければ、覚悟はしておいたほうがいいとお医者さんが……」


ひーのお父さんは、言いながら美香子さんを優しく抱き寄せた。