「やったー!完成!」
千羽鶴完成。
とは言っても、みんな張り切りすぎたみたいで、完成した鶴は見事に千羽を超えていた。
でも、色とりどりの鶴は見惚れてしまうほど綺麗で、ひーなら絶対喜んでくれると思った。
「はるひ!じゃあお願いね!」
「えっ」
あたしに渡された完成したての千羽鶴と、色紙。
「みんなでお見舞いしたいけど、40人近くが押し掛けるわけにもいかないから……。はるひ、持ってってくれる?」
色紙には、これまたカラフルなペンでひとりひとりのメッセージが記されていた。
【裕菜負けるな!】
【みんなで待ってるからね!】
温かい言葉に、あたしのほうが泣きそうになってしまった。
手術は……明日。
みんなの思いを胸に、ひーは明日、とうとう手術を受ける。
生きるか死ぬかは、ひー次第。
あたしたちにできることはすべてやり尽くしたつもり。
──いや、最後にできることがあった。
ひーなら負けないと、
信じること……。