戻ってきた高村くんたちと一緒に、ひーの病気について話し合うことになった。


話し合いというよりは、ひーが、「決心したから私の話を聞いて」と言われ、今に至る。



「私、手術受けるよ」



その場にいた全員の目が見開かれただろう。


ひーは、真剣ではあるけど、どこか晴れやかに笑っているようにも見える。


「本気で言ってるの?ひー」


美香子さんが、ひーの目を見据えて問う。


ひーもそれに応えるように、視線をはずすことなく強く頷いた。


「私、このまま何もしないで死んでいくより、精一杯足掻いたうえで死にたい。
生きる可能性があるほうに懸けてみたいの」


「まあ絶対死んでやらないけど」なんて言って、ひーはにっと笑ってみせた。




「ひーが決めたことなら何も言わないよ。あたしは、ひーがどんな道を選んでも支えるって決めたから」



「はる……」



あたしの言葉を受けて、ひーは一瞬驚いたように目を丸くする。


そして、



「ありがとう、はる」



これまでにない優しい笑顔を向けてくれた。