ひーは、親友だからこそ迷惑をかけたくないと言った。


でもそんなの、親友じゃない。


キツい言い方をすれば、あたしが悲しむところを見る強さが、ひーにはないだけなんだ。


それにひーはわかってない。
あたしが強くなったことを。



「あんたの親友は……もうそんなに弱くないよ……」



いろいろあったからこそ、あたしは強くなった。


ひー1人の荷物ぐらい、抱えられる自信がある。



「親友なんだから、あたしにも手伝わせてよ……!」



ひーが抱えきれなくて壊れちゃう前に、こぼれそうな分をあたしが背負うから。



「ひーのそばで、ひーの力になりたいのっ……!」



ひーにいっぱい愛をもらったぶん、あたしにも返させて。



「ひーが……大好きだからっ!」



──気付けば、どちらからともなく泣いていた。


隣の病室の人が心配して様子を見にきてる。


そんなこともお構いなしに、あたしたちは抱き合って大声で泣き喚いた。



「はる……ありがとぉぉ……!」



嗚咽まじりに、ひーが言った。



“大好き……はる”