ベッドに座り、俯いたままのひー。


脇で立っているあたしが、彼女の顔色を伺うことはできない。


でも、ひーの声色だけは伺えた。


いつも明るい彼女からは聞いたことない、ひどく悲しい声だった。


「はるたちには言わないでって頼んだのに……」


「先輩は悪くないよ。あたしと高村くんがお願いしたの」


あたしも高村くんも、ひーを支えたいと思った。


そのためには、今ひーがどんな状況にいて、何を抱えているのか知る必要がある。


「待ってても、ひーは絶対教えてくれないでしょ。意外と頑固だから」


「さすが。10年以上一緒にいただけあるね」


顔を上げたひーは、困ったように笑ってた。



「はる。私、はるを親友だと思ってないから病気のこと言わなかったんじゃないよ。
はるが大好きだから言わなかったんだよ」



高村くんの言葉が頭によぎる。



“親友にそんなつらそうな顔させたくないから”



「私のことではるを悲しませたくなかった。はるにまで、私の抱える荷物を背負わせたくなかったの」



──ひーはバカだよ。



「あたしは……ひーの荷物背負いたい」