「何で？」


理由を問いただすと、


「俺も心配だから！」


まあ、高村くんらしい答えなわけで。


別に連れていきたくないわけじゃないけど、あたしは二人で話したい。


親友として、今まで何も教えてくれなかった理由も聞きたいし。


今回のことは、あたしとひーの問題だ。



「だから……ごめん。二人だけで話したいの」


あたしの気持ちを伝えると、心底残念そうな顔をしながらも承諾してくれた。


「ありがとう、高村くん」


「いいって。お前らの絆の強さがどれほどなのかは、俺が一番よく知ってるつもりだからな」


にっと白い歯を見せながら、高村くんは清々しく笑った。


「でも……本当に大丈夫か？」


「え？」


あたしの顔を、再び心配そうな目で覗き込む高村くん。


「中里も心配だけど、伊沢のことも心配。つらい現実を聞かされることになるかもしんないよ」


まったく高村くんは。
どこまで心配性なんだ。



「大丈夫。あたしはもう、弱くないから」



心から笑ってみせると、高村くんは安堵したのか同じように微笑んでくれた。