そして翌日。


ひーは当然学校を欠席していた。


ただの体調不良としか連絡はきてないらしい。
入院してると知っているのは、あたしと高村くんだけ。


ひーが心配。
昨日のひーの、どこか苦しそうな顔が頭によぎる。


早く会いたい。


長い6時間の授業が終わり、あたしはバッグを肩にかける。


そんな時に限って……



「伊沢、ちょっといいか」



担任からの呼び出し。


あたしは特に何もしてない。

二年の三学期という時期を考えると、呼び出された理由はだいたい予想できた。


「高村くん、ごめん。先行ってて」


呼び出しをくらったことを伝え、先に病院に行ってもらおうとしたのだけど。



「いいよ、待ってる」



“あたしを待ってくれる”



たったそれだけ。とても小さなこと。付き合ってるなら、当たり前のことなのかもしれない。


でも、あたしなんかを待ってくれる人がいるというのがとても嬉しくて。



「うん……じゃあ、玄関で待ってて」



自然と頬が緩んでいた。