「何で……そんなこと言うの?」
ずっと、ずっと我慢して隠してきたのに。
何でこんな、ただのクラスメートなんかに……。
「俺は伊沢の味方だから」
ホントに……何なの。
何であたしが一番欲しかった言葉を、今日初めて喋ったようなこの人が言うの。
もう、わけわかんない。
「そんなこと言って……どうせあんたも、あとでひーの味方になるくせに……」
涙をこらえて振り絞った言葉は、なんともひねくれたものだった。
「俺は、中里じゃなくて伊沢の支えになりたい」
それでも高村くんは、ただただ優しく、でもさらりとすごいことを言った。
「伊沢のことが好きだから」