「明日さ、中里のお見舞い行こうぜ」
あたしの家まで送ってくれた高村くん。
バイバイと手を振って別れようとした時、高村くんがこんなことを言い出した。
「え……」
「本当は心配なんだろ?明日、二人で様子見に行こうぜ」
高村くん……。
何でこの人は、あたしのすべてをわかってくれるのだろう。
「あ……それとも、伊沢だけで行く?俺邪魔になっちゃうよな」
申し訳なさそうに頭をかく高村くん。
「そんなことないよ。高村くんも来てくれたほうがひーも喜ぶと思う」
あたしが言うと、「本当!?」と目を輝かせる。
高村くんもひーを心配してくれてる。
それが本当に嬉しかった。
「じゃあ、明日学校終わってから一緒に行こう」
「うん。また明日ね」
高村くんは優しく笑って、あたしの頭を撫でる。
「中里のこと信じてんだろ?だったら、そんな顔してんなよ」
大人っぽい表情に、思わずドキッとした。
だけどすぐにいつもの無邪気な笑顔に戻り、高村くんは大きく手を振りながら帰っていった。