ひーは、大事をとって1日入院することになった。


「ひー……」


「はるってば、心配性だなもう。たいしたことないって言ってるでしょー」


そりゃ心配だよ。


大事な友達が倒れたなんて聞いたら、普通でいられるわけがない。


「あたし、今日1日ひーについてていい?」


「ダメ!」


ひーに即座に断られてしまった。


「何で……」


「高村くんをないがしろにしちゃダメだよ。
デートはいつでもできるけど、初デートは今日だけなんだよ?」


真剣なひーの瞳が、あたしをまっすぐに射抜く。


「それはそうだけど……」


「俺のことはいいよ。伊沢、中里についててやって」


高村くんの優しい言葉が心に響く。


「中里は俺にとっても大事な友達だから」と、笑ってくれる。


だから、その言葉に甘えようと思ったのに。



「絶対ダメ!」



ひーは頑なに許してくれなかった。


「私なら大丈夫……。邪魔しといてなんだけど、早く……出てって。私に付き合う必要なんてないから……」


……ひー?