「ごめん、いきなり嫌だったよな!」
どうして謝るの。
別に……嫌じゃないのに。
「……いい。繋いだままで……」
あたしの言葉を受けて、高村くんの頬はちょっぴり赤くなる。
ちょん、とかすかに手の甲をぶつけてみると、大きくてたくましい左手が再びあたしの右手を包んだ。
「……やっぱりやだとか言っても離してやんねーからな」
ぶっきらぼうだけど優しくて、なんだかくすぐったい気持ちになった。
「あ、それと、その服……めちゃくちゃ似合ってるよ」
昨日ひーと選んだ洋服。
結局、淡いピンクのロングスカートをはくことにした。
春を先取りしたような色に、ふわふわした形とレース。
今まで着たことがなかった種類のものだったけど、どうやら気に入ってもらえたらしい。
「超可愛いよ。誰にも見せたくないぐらい」
なっ……かわっ……!?
恥ずかしい、けど素直に喜んでしまう。
ちょっと褒めてもらっただけなのに、こんなに嬉しいなんて。
次も頑張っちゃおうかな……。