何で……こんなバカそうな人に、気付かれてしまったんだ。 思わず飛び起きてしまった。 「なっ……何言ってんの?ひーとあたしは親友だよ?そんなことあるわけないじゃん」 なるべく平静を装ってみたけど、高村くんのまっすぐな目は、あたしのすべてを見透かしているようだった。 「わかるよ。伊沢のこと、毎日見てたから」 何それ、どういう意味? 何でそんな、苦しそうな顔してるの……? 「ずっとひとりで悩んでたんじゃねえの?」 高村くんにいつものような軽いノリはなくて、ただ優しく言った。