そしてさらに翌日。
言い換えれば、初デートの日。


「……ききき、緊張……してきた……」


待ち合わせ場所に向かう間、ずっと深呼吸を繰り返していたけど、心拍数は収まってくれない。


ドキドキとかソワソワとか、いろんな感情がぐるぐるしてなかなか落ち着けなかった。


そして……駅前に着いたわけだけど。


「えっ!?嘘、もういる!」


時間をしきりに気にしながら、辺りをキョロキョロ見回している高村くんを見つけた。


あれ?もう10時なってたっけ?
ううん、まだ15分前。
あたしだって早く来過ぎたと思ってたのに……。



「高村くん!!」



慌てて駆け寄ると、高村くんが弾けるように顔を上げる。
ほっとしたような笑顔に、思わず初っぱなからドキッとした。


「ごめん……遅れて」


「え!?いや!全然平気!全然待ってない!っていうか、まだ10時にもなってないし!」


「……じゃあ、高村くんは何でいるの?」


なんとなくわいてでた疑問。


素直にそれを投げると、高村くんは顔を真っ赤にして押し黙る。