あたしが必死に拒否すると、口を尖らせながらもひーはスカートを売り場に戻した。
「あたし……脚太いし、綺麗じゃないし、脚だけは絶対見られたくない」
制服はスカートって決められてるから我慢してはいてるけど、それとこれとは別だ。
「私はすごく綺麗な脚だと思うけどな」
まだ諦めていないのか、スカートを物色しながらひーがつぶやいた。
「はるの脚、普通に細いし白いし、スラッと伸びてて長くてすっごく素敵だもん!隠すなんてもったいないよー」
屈託のない笑顔で言われると、お世辞でも信じそうになってしまう。
「あ、はる。今、私が言ったことお世辞だと思ったでしょ。そんなわけないでしょ〜、全部本心だよ」
おぉ……さすがというべきか。
伊達に10年近く一緒にいたわけじゃない。ひーにはお見通しってわけだ。
鏡に写った自分の姿を見てみる。
男のような恰好。暗い色合いで、17歳らしい若さも色気も何もない。
こんな彼女……高村くんは嫌いだろう。
隣に歩いていて、きっと恥ずかしい思いをさせてしまう。
「お!」
その時、ひーが見つけた服にあたしは釘付けになった。