「おめでとう、はる!」


高村くんと両想いになれたことを伝えると、ひーは自分のことのように喜んでくれた。


「いつかダブルデートしようね!」


「でででデート!?」


「付き合ってるんだから、それぐらい当たり前じゃない」


それもそうか……。


デート……とか、してるところが想像できない。


「まあ、大丈夫だよ。高村くん、しっかりリードしてくれそうだし。任せてればいいよ」


「う、うん……わかった」


すると、高村くんがパタパタと駆け寄ってきた。


「伊沢!明後日の日曜、映画行こうぜー!」


まるで、あたしたちの会話を聞いていたかのように、絶妙すぎるタイミングだった。


「ほら、さっそくね」


「いろんな意味でタイミング良すぎてびっくりしたわ」


さすがのひーも苦笑していた。



「これ、新聞の勧誘でもらったんだ。この前公開したあのSF映画だよ!」


「あ……見たかったやつ」


二枚のチケットを見て、あたしが小さくつぶやくと、


「じゃあ決定!明後日の10時に、駅前で集合な!」


一方的に決めて去っていった。