「なっ……それは!」


顔が真っ赤になっていくのがわかった。


千春ちゃんとの話……やっぱり聞かれてたんだ!


「それは……その……」


「どうなんだよ、伊沢」


嘘じゃないけど……恥ずかしくてなんて言ってあげればいいのかわからない。


「……伊沢、俺は」


「もう、ごちゃごちゃうるさいな!」


あたしは高村くんの言葉を遮るように声を張り上げると、立ち尽くしている彼の胸に飛び込んだ。



「これが答え!あたしのほんとのきもち!」



ぎゅっと強く抱きついて、しっかりとしたその胸に顔を埋める。


これでわかっただろ、バカ。



「伊沢……!」



すがりつくような声と共に、たくましい腕が回された。



ああ、君はこんなにも強くあたしを想ってくれていたんだ。



「伊沢……」


「あっ……ちょっと、苦しいよ高村くん……」


「あ、ごめん。嬉しくて……つい」


顔を上げると、幼く笑う彼と目が合う。



「……大好き」



いつもより低く囁かれたあと、



優しいキスが降ってきた。