大きく深呼吸をした。
「あたし……
高村くんのことが好きなの」
精一杯に紡いだ言葉は、今にも消え入りそうで震えていた。
千春ちゃんが、丸い目を大きく開かせてあたしを見つめる。
「……本気で、言ってんですか」
「うん、あたしのほんとのきもち。高村くんと千春ちゃんが付き合おうが関係ない。千春ちゃんは、あたしにちゃんと自分の気持ちを伝えてくれたから、あたしもちゃんと……」
二人が付き合うことになったとしても関係ない。
やっと自分の気持ちに気付いたんだもん。
「千春ちゃんのおかげで気付けたの。ありがとう」
自然と感謝の言葉が出てきて、ひーみたいに優しく笑うことができた。
しばらく黙っていた千春ちゃんだったけど、やがて肩を震わせて声を張り上げた。
「お礼なんて……いらないです!!」
あたしを睨む千春ちゃんの目には、大粒の涙が浮かんでいる。