「はる、自分でもわかってるんじゃない?」
そう言ったひーは、何もかもお見通し、といった表情。
ひーには、すべてがわかってるみたいだ。
「はる、高村くんにキスされた時どう思った?」
ファミレスで聞かれたことと同じ質問。
「嫌じゃなくて、このままでもいいって思った……」
「うん。じゃあ、高村くんが千春ちゃんと一緒にいる時は?」
「……すごいイライラした」
これが正直な気持ち。
何であんな子と仲良くするの。
あの子じゃなくて、あたしの隣にいてよ。
お願いだから、どこにも行かないで……。
「高村くんのことが嫌いなら、ただの友達としかみてないなら、そんなこと普通は思わないんじゃない?」
一点の曇りもないひーの瞳が、あたしの目を捕えて放さない。
するする、と絡まっていた糸がほどけるような。
そんな感覚。
この気持ちの意味が、これがなんというものなのか、やっとわかった。
「あたし……高村くんのことが好きなんだ……」
好きだから千春ちゃんに嫉妬していた。
これが“恋”というものなんだ……。