その日の夜、あたしはひーの家に行って、千春ちゃんとのことをすべて話した。
千春ちゃんが高村くんに告白するところが頭に浮かび、胸が締め付けられるような思いになる。
もし高村くんがオーケーしてしまったら、なんて考えたくもない。
離れていってしまう。
高村くんが、あたしの手の届かない遠いところに行ってしまう。
あたしの隣じゃなくて、千春ちゃんの隣に行ってしまう。
わがままだってわかってる。
最低だって百も承知。
だけど……
「そんなの嫌だよぉ……!」
涙が溢れてきた。
「はる……」
ひーがあたしを抱きしめながら、頭を撫でてくれる。
優しさが伝わって、さらに泣けてきた。
行かないで、高村くん。
行ってほしくないよ。
支えになりたいって言ってくれたじゃん。
高村くんだけは、いつでもあたしの味方だって言ってくれたじゃん。
だったら……千春ちゃんのところになんか行かないで。
「ひー、あたしどうすればいいの……?」
打開策を求めてひーを見ると、少し呆れたように笑った。