「最低です、あなたは。
律先輩の気持ちを利用して、独りになるのが怖いがために甘えていたんじゃないんですか?
なのに……今更関係ないなんて言わせませんよ。律先輩はハルがもらいます。あなたみたいな最低な人には譲れません!!」
千春ちゃんは勢いで吐き捨てると、パタパタと走ってどこかへ行ってしまった。
最低なんて、あたしがよくわかってる。
親友を憎んだり、自分を好きだと言ってくれた人を利用したり。
いや、利用していたつもりはなかった。
だけど、千春ちゃんに言われて気付いた。
心の支えになってくれると言った高村くんに甘えて、散々縛り付けておいたのはあたし。
千春ちゃんといるのを見てむかついたり、キスされたから避けたり、そんなことする権利も資格も、あたしにはないんだ。
ちゃんと向き合わなくちゃいけないのに、何かが変わるのが怖くて、あたしはずっと逃げていた。
最低……年下の女の子に言われるまで気付かないなんて、
本当に最低……。
「ごめん、ごめんなさい千春ちゃん……。
ごめんなさい、高村くん……」