答えが出ないまま、気付けば数日がたっていた。
日を追うごとに高村くんとの距離が遠くなっているように感じてしまうのは……
「律先輩♪」
千春ちゃんのせい、だけなのだろうか。
「ハルちゃん、また来たの?」
「はい!今日、家庭科の授業でマフィンを作ったので、先輩に食べてほしかったんです!」
マフィンを両手で渡しながら、「食べてください♪」と、可愛らしく笑う千春ちゃん。
あたしには、あんな真似は到底できない。
「おー、うまそう。いただきまーす」
食べるんだ……。
彼女でもない女の子からの手作りお菓子を、何の抵抗もなく食べちゃうんだ。
自分が告白した女の子が見てるのも気付かず。
といっても、二人がいる廊下から教室の中にいるあたしの姿が見えるはずがないんだけど。
「あ、先輩。ほっぺにチョコチップついちゃってますよ」
「え?」
すると千春ちゃんは、指で高村くんの頬についたチョコチップをとると、それを自分の口へと運び……食べた。
……何なの、あいつらマジで!
ラブラブすんなら他でやれー!!