「そんなの簡単だよ。
はる、高村くんにキスされてどう思った?」


「え……」


どうって言われても……。
そんなの突然のことすぎて、いっぱいいっぱいで正直あんまりよく覚えてない。


嫌ではなかったのは確か。
委ねてしまってもいいと思ってたのも事実。


でもそれは、“キス”っていう初めての出来事と感覚に、頭も心も酔ってしまっただけなのかもしれない。


つまり、相手が誰であれ、されるがままになっていたかもしれない。


かといって、高村くんではなくて他の男子だったら……と考えてみると、鳥肌が立ってくる。


考えても考えても答えは出そうになくて、あたしの頭はショート寸前。


わけがわからなくなって、テーブルに俯せるようにうなだれた。


「ありゃりゃ……大丈夫?はる」


「う〜ん、もう考えるのだるくなってきたぁ〜」


「ダメだよ。高村くんは本気なんだからちゃんと考えてあげないと」


「わかってるけど……」


わかってるけど難しすぎる。


だってあたしは、最近まで田代先輩が好きだったんだ。