「ちょっと、具合悪いから保健室に……」
「え!? はる、具合悪いの!?」
あたしの言葉に声をあげたのは、高村くんじゃなくてひーだった。
「大丈夫!? そういえば、顔色悪いよ!私付き添ってあげる!」
「大丈夫、ひとりで行けるから」
「でもっ!」
何でわかってくれないの、ひー。
もうすぐで怒鳴りそうになったあたしを止めたのは、高村くんだった。
「中里、俺も保健室に用あるからついでに伊沢つれてくよ。だから、心配すんな」
「高村くん……」
「ほら、授業始まるぜ」
時計をみると、始業まで1分を切っていた。