今度はあたしが友情をとる番。
告白もしないつもり。
ひーと先輩が、仲良く並んで笑っている姿を想像しても、前ほどつらくはない。


きっと、心の中どこかではこうなることを望んでいたのかも。


だからなおさら、ひーがあたしなんかのことを思って断ったのが許せなかったんだと思う。


クリスマスに先輩を呼び出して、ちゃんと自分の気持ちを伝えたひーは、遠回りの末に田代先輩と結ばれたのだった──。




「記念日はクリスマスだよ。みんな、毎年お祝いしてあげてよ」


「ラジャー♪」


「もう、はるっ!」


ひーが、今にも湯気が出そうなほど真っ赤な顔をぷくっと膨らませる。


それを見て思わず笑っていると、それまで騒いでいたクラスの女子たちが突然押し黙った。



「はるひって……こんなふうに笑う子だったっけ?」



沈黙を破って、一人の女子が不思議そうに首を傾げる。


「え……?」


「私、今のはるひのほうがいいな♪」


「うちもー!」


今のあたし……?
別に何も変わってないけど……。


思わぬ言葉に戸惑っていると、ひーが優しく微笑んだ。