「どうなの、裕菜!?」


今にも飛び掛かってきそうな形相でしつこく聞いてくるので、



「うん、そうだよ」



なかなか言いだせないひーに代わって、あたしは頷いた。


そして女子たちは再び声をそろえる。


「せーの」とでも言うように大きく息を吸って、



「ええぇぇぇえぇっ!!」




──そう、ひーと田代先輩はクリスマスイヴの翌日、つまりクリスマス当日に晴れてカレカノとなったのだ。



『ひー、田代先輩のことちゃんと好きなんでしょ?』



ひーは、あたしに遠慮して先輩の告白を断った。
本当はOKしたかったところを、あたしとの友情をとってくれたんだ。


でもそれは……ハッピーエンドとはとても言えない。
こんなんじゃダメだ。


何より、あたしが納得しない。
両想いなのに、すれ違ったままでいるのはよくない。


だから、言ったの。



『あたしのことはいいから、先輩にちゃんと応えてあげて』