「ねぇ、知ってる!? あの噂!!」
「いや、知らない人いないでしょ!」
「私も知ってる。超びっくりだよねー!
田代先輩と裕菜ちゃんが付き合ってるって!」
冬休みはあっという間に終わった。
あたしとひーは、今まで以上に仲良くなり、ほぼ毎日遊んで一緒に過ごした。
そして3学期が始まった。
「おはよー」
始業式である今日、あたしとひーは久しぶりに一緒に登校。
……したのはいいんだけど、
「ねえねえねえねえ!」
教室に入ると、クラスの女子たちが真っ先にあたしたちのところにやってきた。
「みんな、おはよー」
「どうしたの?」
にこっと挨拶するひーのあとに、あたしは状況を把握しようととりあえず問いかけた。
すると、女子はみんな声をそろえて、
「裕菜、田代先輩と付き合ってるの!?」
そう聞き返してきた。
「あ……えっと」
ひーは顔を真っ赤にしながら、戸惑っているのか視線を彷徨わせる。
もう……はっきり公言しちゃえばいいのに。
ひーなら先輩と付き合っていても、嫌われたりしないって。