「ダーメ!俺だけが食うんじゃないから、割り勘!」


変なところでしっかりしてる高村くん。


そんな彼の家にこれから向かう。



「よいっしょっと……」


買ったものを袋に詰めて持つけど、これが結構重い。



「貸して」



右手が急に軽くなったと思えば、高村くんの手荷物が多くなってる。


あたしが持っていた荷物を、高村くんが持ってくれたんだ。


「持ってなんて頼んでないし」


「俺、持つの好きなの!」


意味わかんない。


だけど、ありがとう。


素直に言えなくてごめんね。




「到着ー!!」


高村くん家に着いた。


ごく普通の二階建の一軒家。


「親は遅いから、夜まで騒ぎ倒そうぜー!」


「騒ぎ倒すなんて聞いたことないんだけど」


高村くんに相沢くんがめちゃくちゃ冷静な突っ込みを入れた。


「まあ、とりあえずリラックスしてってよ」


「言われなくてもそのつもり」


「浩也ってさ、俺のこと好きなの!?」


「全然。」