再び気まずい沈黙に包まれる。
高村くん……あたしがずっと元気ないの、気にしててくれたんだ。
本当は嬉しい。
嬉しいんだけど、あんなふうに素直に言われるとちょっと……いや、だいぶ恥ずかしい。
「……しゃーねえな」
呆れたような言い方で高村くんが頭をかいた。
「香波の友達のためだからな。その代わりイヴだけだぜ」
「え……でも、」
「いいから」
優しく笑ってくれる相沢くんに、なんとなくホッとする。
「私も……はるひちゃん元気にしたいです」
香波ちゃんもにこにこしながら言ってくれた。
「うん、そうだな。……って、香波!?いつから!?」
慌てふためく相沢くんに、「サンキュー!」と飛び付く高村くん。
「ちょっ……離れろ、律!」
「ちょっとだけ浩也をぎゅってさせてね、桜さん」
「はい、どうぞ」
「香波ー!」
騒々しいけど、見ていて心が温かくなる光景に、あたしは自然と頬が緩くなった。