「相沢くん、ごめんね。高村くんの言ってたことなんてほっといていいから、クリスマスは香波ちゃんと……ね」


「伊沢……」


相沢くんが、高村くんをいじる手を止めてあたしを見る。


するとその隙をついて、高村くんが相沢くんの手を退けて叫んだ。



「ダメだ!!」



……何でこんなに、物分かりが悪いんだ、この人は。


だけど、次の高村くんの言葉は、あたしがまったく想像もしていなかったものだった。



「俺はっ、みんなでバカ騒ぎして伊沢を元気づけたいんだよ!!
だから協力しろ、浩也!!」



しばらくの沈黙が、あたしたちを包んだ。


「え……あたしのため……?」


あたしがつぶやくと、高村くんがハッと我に返ったように目を見開く。


「あ、いや!そうじゃなくて……いや、違くないけど!」


真っ赤な顔で慌てる高村くんを見てると、なんだかこっちまで恥ずかしくなってきた。