「ふたりの邪魔になるんじゃない?あたしたち」


ふたりは付き合ってるんだから、クリスマスはきっとデートしたかったりするんじゃないかな。


「いーんだよ!ヒロたんならわかってくれるよ!」


「アホか」


「あだっ!」と衝撃を受けた後頭部を押さえ、高村くんは涙目で振り返る。


彼のうしろにいたのは、噂をすればの相沢くん。


「何が『ヒロたんならわかってくれるよ』だよ。
お前は、俺と香波の愛の邪魔者以外の何者でもないよ。ったく、勝手に決めやがって」


少し不満げな相沢くん。
……当たり前だよね。


「彼女いねー奴は可哀想だな。まあ、だからって、それを妬んで無理やりパーティー開くのは間違ってると思うけどな」


「いいじゃん、別に!
そんなにイルミネーションの下で、桜さんとチューしたいんならクリスマス当日にすればいいだろ!
パーティーはイヴのほうにしてやるから!」


そんなやりとりを真っ赤な顔で聞いてる香波ちゃんがいることに、ふたりは気付いていないんだろうか……。