恋愛は、理屈じゃない。
その言葉が、やけに重く心にのしかかる。
そっか。
だから親友の好きな人を好きになっちゃったり。
想ってくれてる人がいても、叶わないほうを選んでしまう。
恋愛は難しい。
ただでさえ難しい恋愛が、人間関係にまで絡んでくると最悪。
だから、あたしとひーの友情はより複雑にこじれ、最終的に壊れてしまった。
「何で……こんな面倒なこと、人間は飽きずにやるんだろう」
「さあな……。
でも、しいて言うなら」
高村くんがベッドから立ち上がる。
手を差し出されたので、あたしはそれに応えるように手を添えると、ぎゅっと握り締められると同時に勢いよく引っ張られた。
立ち上がらされたあたしに、高村くんは優しく笑った。
「友情も恋愛も、素晴らしいもんだって本能的にわかってるから、人間が生きていく上で、そのふたつは絶対に避けたくても避けられないんだと思うぜ」