何偉そうなこと言ってるんだろう。
先輩なんかより、ましてやひーより、あんなことを言ってしまったあたしが一番醜くて最低な人間だ。
だから、今先輩に対して言ったことは、あたし自身にも向けた言葉。
「第一、田代先輩はあなたたちのものでもないし、あなたたちは田代先輩の彼女でもないんだから、先輩が誰を好きだろうと関係ないはずです」
「何だと……」
先輩たちがあたしに向かって、一歩、また一歩と近づいてくる。
「ひーのことも、何も知らないくせに好き勝手言わないでください」
「もういいよ、はる!」
ひーが必死であたしを止めようとするけど、あたしはそれでも続けた。
「先輩、ひーがみんなに愛されてる理由わかりますか?
外見が可愛いだけじゃない。ひーは……ちゃんと心まで綺麗なんです」
──そう。だからあたしは、ひーが大好きで、大嫌いにもなった。
「あなたたちみたいな人に、ひーを悪く言う資格なんてありません!今後一切、ひーと田代先輩に関わらないでください!
ふたりのことを邪魔するのなら、あたしが許しません!」