「もうすぐ夏休みだね、はる!」


あたしの隣を歩きながら、ひーが嬉しそうに言った。


家も同じ方向だから、登下校も一緒。


ひーと一緒にいるのはしんどいけど、ひとりも嫌だ。


だからあたしは、ひーを利用している。


ホントに最低だ。



「そうだね」と返すと、ひーはあたしの腕に自分の腕を絡める。


「いろんなとこ遊びに行こうよ!海とか、プールとか!」


「……うん」


無理、ひーと遊びに行くなんて。


でも、はっきり断れないのは何でだろう?


ひーの嬉しそうな顔を見てたら、何も言えなくなってしまう。