「……本当に大丈夫か?」


「うん……平気」


「俺、送ってってもいいぜ」


「ありがと。でも……今はごめん、ひとりになりたいの」



あたしが落ち着くまで、ずっと一緒にいてくれた高村くん。


でも今は、その優しさまでもがつらい。


だからあたしは、高村くんと別れて校舎を出た。


後夜祭も出ない。


キャンプファイアーで踊る、ひーと田代先輩を見る勇気なんてなかったから。




「……田代、先輩?」


だから、校門のところで田代先輩と出くわした時は、心臓が飛び出るんじゃないかというぐらい驚いた。


「あ……はるひちゃんか」


あたしに向けた笑顔は、いつものまぶしい笑顔ではなく、どこか憂いを帯びた悲しい笑顔だった。



「……どうしたんですか?」


遠慮がちに問うと、田代先輩は「ははっ」と乾いた笑い声をあげて、



「おかしいな。はるひちゃんの占いは当たるはずなのに」



「え……?」