「さあ、始まりました!毎年恒例のミス・ミスターコンテスト!
この学校で一番かっこいい男子、そして可愛い女子は誰なのか!?
ここできっちり決めようじゃねえか、ベイベー!!」


妙にハイテンションなコンテストの司会者に、面倒臭いぐらい超ノリ気な生徒達。


あたしはコンテストなんて見る気はなかったのに、ひーと高村くんが「絶対見に来て!」としつこくせがむので、渋々やってきたわけだけど。


去年に増して、すごい盛り上がりに一刻も早く教室に戻りたくなった。



コンテストは校庭の一角に設置されているステージで行われる。


生徒にはひとり一票投票権があり、コンテスト出場者のうち一人に投票する。


一般の人も一票と決められてはいるけど、自由に投票できる仕組みになっているらしい。


あたしは去年、誰にも投票はしなかった。


今年も投票しないつもり。


ひーより可愛い女子なんていないと思ってるから。

だけど、ひーに投票するのは悔しいから。


だからあたしは、投票しない。