それからはひーと一緒に校内を回った。
すると、
「あれ?中里と伊沢じゃね?」
その声に気付いて振り返ると、そこには同じ中学の男子がいた。
そう、あたしを“引き立て役”だと言った男子たち。
あのランキングの一件のあと、男子たちはあたしに負い目を感じて大人しくしてた。
でも、あれから1年以上経ち、高校も別々になった今、そんな過去はきれいさっぱり忘れているだろう。
だから……
「相変わらず伊沢は中里にくっついてんだな!」
こんなことが笑いながら言えるんだ。
「そうだよー、私たちラブラブだから♪はるはあげないよ!」
ひーが、あたしの腕に自分の腕を絡ませてきた。
「いらねーよ!」
男子たちは笑ってたけど、本気で嫌がってるような気がしてむかつく。
あたしだって、あんたたちみたいな男、こっちから願い下げだわ。
しばらくひーと男子たちは談笑してたけど、ミスコンの時間が迫ってきた。
「応援してるぜ、中里」
「ありがとー!」
輝く笑顔のひーとは裏腹に、あたしは男子たちを睨んでから「じゃあね」と去った。