ここなら広いし、人が多くても大丈夫。
……と、ベンチに座ったあたしの隣に、
「はるひちゃん」
「──っ!? 田代先輩!!」
近い……!!
隣に座った田代先輩は、あたしに向けて微笑んでいる。
この距離で目なんか合わせられなくて、あたしは俯いたままでいた。
「はるひちゃん……。俺、」
すると、田代先輩が真剣な顔と口調で言った。
「俺、裕菜ちゃんに告白するよ」
……あたしの思考回路が壊れた。
もう一度先輩の言葉を思い出して、頭の中で再生してみるけど、意味を理解することができない。
違う──。
あたしが、無意識に理解することを拒んでいたと言ったほうが、正しいかもしれない。
先輩が……ひーに告白する……。
いずれはそうなるだろうと、覚悟はしていたはずなのに、苦しくてしょうがない。
だって、昨日のあたしの占いが先輩の背中を押したことがわかっていたから。