「──…あなたの笑顔に、相手も惹かれ始めてるはず。あとはあなたのアタックあるのみでしょう」


占いが終わり、本から田代先輩へと視線を移す。


「アタックあるのみ……か」


少し嬉しそうに笑っている先輩。


あたしの占い……というか本の占いなんだけど。


相性ピッタリ。あとはどちらかが行動を起こすだけ。


という結果が出た。


まあ、その通りなんだけど……怖いぐらいに当たっていて、あたしまでびっくり。


田代先輩、告白しちゃうのかな。


なんかあたし、キューピッドになってない?


本当はひーと先輩のこと、これっぽっちも応援なんかしてないのに。


「ありがとう、はるひちゃん」


「……田代先輩」


そう言って席を立とうとする先輩を、あたしは何を思ったか呼び止めてしまった。



「……頑張ってください。きっとひーも、先輩と同じ気持ちだと思うので」



──あたしって本当バカ。


ひーが嫌いで、ひーと先輩が結ばれることなんてまったく望んでいないのに。


こんなの、ただの偽善だ……。