というか、高村くんのほうが絶対にアホだと思う。
心の中でツッコミを入れているあたしのもとに、高村くんはずんずんと歩み寄る。
「……えっと、おはよう?」
「何で疑問系?しかも何でこのタイミング?俺怒ってんだけど!」
「は……?何で……?」
率直に疑問を返すと、高村くんは面食らう。
「おまえなー」と頭をかきながらため息をついた。
「一昨日、おまえいきなり学校飛び出すし、昨日は学校休むし……。これでも結構心配してたんだぞ」
あ……そういえば、高村くん、ひーと一緒にあたしのお見舞い行きたがってたんだっけ。
嬉しかったけどひーから聞いた時は、恥ずかしくて何でもないフリをした。
「うん……ごめんね。もう大丈夫だから」
「まあ、それならいいんだけど」
「高村くん」
まだ少し納得してないような高村くんを、あたしは呼び止めた。
「……ありがとう」
高村くんは「別に」とそっぽを向いてどこかに行ってしまった。
……顔が真っ赤だったのは、本人には言わないでおこう。