おずおずと声をかけてくれたのは、文実委員の香波ちゃん。
そういえば、香波ちゃんは騒動が起きた時、まだ学校には来てなかった。
何も知らないはずだけど、少し遠慮がちな様子から見て、クラスのみんなから何があったかぐらいは聞いてると思う。
それでも……。
「今日の放課後、文化祭の準備出れる……かな?」
話すのが苦手なはずなのに、香波ちゃんは一生懸命話しかけてくれた。
それが本当に嬉しくて。
あたしが「うん」と頷くと、ホッとしたように柔らかく笑った。
「……はるひ」
「伊沢さん……」
それを合図にするかのように、クラスのみんながあたしの周りに集まってくる。
「……」
戸惑うあたしを、ひーが気遣ってくれてるのがわかる。
「この前はごめんね、はるひ」
一昨日、あたしを一番に責めた女の子が頭を下げた。