翌日。
熱もすっかり下がり、あたしはひーと一緒に学校にやってきた。


教室の前まで来て、あたしの足が止まる。


「はる……?」


ひーは、あたしとみんなの間に何があったのか知らない。


だけど、あたしの不安そうな顔から何かしら察してくれたらしい。

優しく笑いながら、あたしの手をぎゅっと握った。



「大丈夫だよ、はる」



──ガラッ



ひーがドアを開けた。


みんなの視線が、自然と……だけど一斉にあたしたちに向けられる。


「みんな、おはよー!」


元気よく挨拶して、「ほら、はるも」と、あたしのわき腹をつつくひー。


「……お、おはよう……」


聞こえたかどうかもわからないほど、あたしの口から出た声は小さかった。


怖い……。
みんなの視線が痛い。

だけど……



“大丈夫”



右手から伝わる温もりが、たしかにそう言っていた。



「おはよう。裕菜ちゃん、はるひちゃん」