「た、高村くん……?」


「うん。私がはるのお見舞い行くって言ったら『俺も行く!』って言い始めて。さすがに断ったけど、高村くん、はるのことめちゃくちゃ心配してたよ」


そうだったんだ……。


高村くんをあんなふうに拒絶してしまったから、ひーがちゃんと断ってくれてよかった。


と、安心する気持ちもあれば、少し会いたかったな、とも思う。


高村くんは、あたしがどんな人間だろうと笑いかけてくれて、優しく受け止めてくれる。


あたしの唯一の心のよりどころ。


でもあたしは、高村くんに甘えてばかりで高村くんを傷つけ迷惑をかけた。


だから、こうして距離をとるのが一番だと思う。



「高村くんもだけど、私も心配してたんだからね」



ぼんやり考えていると、ひーが少し拗ねたように言った。