学校には行けない。
クラスのみんなに会わせる顔がない。
それでも、いつも通りの時間に起きてしまった。
「はる!朝ごはんできてるよ!」
下の階からお母さんの元気な声が聞こえた。
何も変わらない朝。
でも確かに違うことを、異様な身体のだるさと頭痛。9月にふさわしくない寒気が、すべてを物語っている。
「──38度5分、風邪ね」
体温計を見て、お母さんがうなだれた。
風邪というより、知恵熱のほうが近いような気がする。
昨日の出来事で、学校のこととかひーのこととかいろいろ考えすぎたんだと思う。
「ひーちゃんと学校には連絡しとくから。今日はゆっくり休みなさい」
「うん……」
朝ごはんをほんの少しだけ食べて、あたしは再び2階に戻った。
学校には行きたくなかったし、ひーとも会いたくなかったからちょうどよかったかもしれない。
カーテンの隙間から見える青空をしばらく見つめていると、眠気が襲ってきて夢の中へとつれていかれた──。