「ほら、はる!」と、ひーが前方からやってくる背の高い男子生徒を指差す。


ひーが示す人物を見た瞬間、あたしの心臓は大きく跳ねた。


「はー、今日もかっこいいね。田代先輩」


ひーがあたしと彼を交互に見ながら、ニヤニヤする。


そう……あたしは三年生の田代先輩に恋している。


入学して初めて会った時に一目惚れしてしまった。


以来、ずっと好きでいる。


そのことを知るのは、ひー、ただ一人。



『何年はるの親友やってると思ってんの? はるの様子見てたらすぐにわかっちゃったよ〜』



そんなこと、言ってたっけ。