写真をじっと見つめていた悠が口を開いた。
「これ…ハナミズキじゃないか?」
「…ハナミズキ?」
「多分。俺のばあちゃん家の庭に、同じ花が咲く木があったから。」
ハナミズキ…。
じゃあ、この場所…この木を探せば!
タイムカプセルが、見つかるかもしれない。
「…なぁ、ちづ。この写真、随分古い写真みたいだけど、いつの写真?」
悠が、写真を見つめたまま言った。
「撮ったのは戦時中って聞いたけど…それが?」
悠は何かを考えているようだった。
「どうかしたの?」
「いや…あのさ…。」
ゆっくりと、悠は話し始めた。