「…諦めんのかよ。」
「…だって…もう…。」
「諦めんなって言ったちづが諦めんのかよ!」
じゃあ…どうしろっていうの……。
「俺には何が起こってんのかさっぱり分かんねぇよ!
分かんねぇけど中途半端なまま諦めんなよ。」
「…悠…。」
「最後の最後までどうなるかなんて分かんねぇだろ!
ちづ、もう逃げるな。こんなとこで逃げるな。自分の足で立て!」
いつだったか、幸生も同じことを言ったのを思い出す。
自分の足で立て、と。
あたしは涙を拭う。
逃げちゃダメだ。
もう逃げちゃダメだ。
自分の足で立ち上がり、あたしは顔を上げた。