幸生がいた場所を眺めたまま呆然としていた。


力なく座り込んだあたしの頬を絶え間なく涙が伝う。




タイムカプセルは見つからない。

間に合わない。


幸生は消えてしまった。


あたしは、「ありがとう」も「さよなら」も言えなかった。



もう…何だ、これ…。


キツいよ…キツい……。






「ちづ…。」


あたしの後ろにいた悠は、
何をするでもなく、ただそこに立っている。




「もう…無理だ…。」


「え?」


「ばあちゃんが…死んじゃうよ…。」


「…………。」


「あたし…見つけられなかった…。約束…叶えてあげられなかった。」



最悪だ。最低だ。


泣きながら、幸生を思った。

ばあちゃんを思った。






あたしは…無力だ。