倒れた幸生は酷い汗を掻いていて虫の息だった。

目も、今にも閉じてしまいそう。


それに、幸生の身体は透明になっている。



「っどうして!?まだ…まだ夜が明けてないのに!」




あたしの声に驚いて、悠が飛んでくる。


透き通った幸生の身体を前にして、あたしはパニックになっていた。



「幸生!?幸生っ!」


触れようとしても触れられない。


「ねぇ!?どうしたのっ!?何で!」




幸生は途切れ途切れの細い声で言った。


「…明子に…その時が来る…。」






その時……ばあちゃんが、死ぬってこと…?