「あーっと…別に愛美のせいじゃないから。ちょっと用事っていうか…あっ!家出とかでもないし!
あたしが何も言わずにフラフラしてたのが悪いだけで……だから…愛美のせいじゃないよ。」
なぜか言い訳っぽい、
しかもどうしてか愛美を庇うような言い方だ。
それは、自分でも不思議だった。
「…何で?」
黙っていた愛美が口を開く。その、たった一言。
あたしがきょとんとしていると愛美は更に続けた。
「私、ちづにいっぱい酷いことした。
私、美季が怖くて何も出来なかった。いつも悪いのは自分じゃないって思って…なのに何でお礼なんか言うの!?」
愛美の顔はどんどん歪んでいって、仕舞いには泣きだしてしまった。
「美季に嫌われたら、私生きていけないって思った!
ちづみたいになりたくないって思った!私は自分を守るほうを選んだの!
だからお礼なんか言わないでよ!!」