「…ちづがいなくなったのは自分のせいだって、思ったらしい。」
悠は、ぼそっと言った。
お祭りの前のことを気にしてたの?
あたしには、愛美の本心が見えない。
愛美は服の裾をぎゅっと握って下を向いていた。
居心地の悪い沈黙があたしたち三人を包む。
そのうち、痺れを切らしたらしい悠が口を開いた。
「言いたいことあるなら言えって。」
それが、あたしに向けられたものなのか、愛美に向けられたものなのかは分からなかった。
愛美はそれでも、俯いたままだ。
いつまでも三人揃って立ち尽くしてんのもどうかと思い、あたしは勇気を出して言った。
「…探してくれたの?」
コクン、と愛美は頷く。
「…そっか。ありがとう。」
すると、愛美は初めて顔を上げた。
その顔は驚いていて、信じられないとでも言いたげな顔をしている。